喜芳の創作念珠 ~一休さん~

平成22年度「京の名工展」出展作品。
一休はある時、杖の頭に髑髏(しゃれこうべ)を乗せて、こう呟いた・・・
「門松は冥土の旅の一里塚 めでたくもありめでたくもなし・・・」
世の儚さを詠んだ一休の心情を思い描き、喜芳はこの作品を作り上げました。

◇錫杖の創作念珠
この「一休さん」は、一休和尚が描かれた水墨画と、錫杖に見立てた創作念珠を重ねると、一休和尚が錫杖を手にしている様子が見られるように設計・制作されました。

◇骸骨(髑髏)の木玉
骸骨彫り(髑髏彫り)の木玉は、彫師の伝統伎で、一つひとつ仕立てられたものです。

◆喜芳工房 

・平日 9:00~17:00
・〒603-8083 京都府京都市北区上賀茂向縄手町40-1
 ※グーグルマップ等で「きほうこうぼう」で検索していただくとルート検索がご利用いただけます

【喜芳とは?】

大正9年京都府生まれの念珠師です。13才で念珠屋へ奉公に入り、以来、倒れる寸前まで念珠を作り続けました。
平成16年に京都府伝統産業優秀技術賞を念珠師として初受賞。
2023年現在、念珠師として「京都府伝統産業優秀技術賞」を受賞した技師は、喜芳を含めてたった3人です。
名工として、平成18年~平成26年まで名工展に創作念珠を出展しており、その独自性は分野内外から高く評価されました。

喜芳の技術と想いは、喜芳工房の職人たちに受け継がれています。

【喜芳工房とは?】

喜芳が健在であった時から現在に至るまで、職人を養成しています。この職人たちが所属する工房を「喜芳工房」と呼んでいます。

喜芳は、弟子の一人ひとりの適正を見極めて、それぞれが得意な工程の技術を伸ばすことを大事にしていました。
そのため、職人はそれぞれ得意な分野が「珠をとおす」、「軸を編む」、「房を付ける」、などはっきりと分かれています。

その結果として、一つひとつの工程のスペシャリストが育成されています。
各工程で高い品質のパーツが仕立てられているため、最終的にすべてを組み合わせたときに、クオリティの高い製品に仕上がります。